読書 - この先結婚するつもりもないのでセミリタイアした

「失敗の本質」、それはつまるところ日本人の性質

こんにちは、槙です。



一週間ほど前に、太平洋戦争においてなぜ日本軍は米軍に破れたのか?ということを組織論の面から研究した名著「失敗の本質」を読み終わりました。


その内容については、今更わたしがどうこう言うのもなんですが、ここ最近の出来事がいよいよもって終末的な様相?というか終わりの始まり的に感じられるので、ブログ記事にしておこうかと…


さてこの失敗の本質ですが、文庫版のあとがきに簡潔にまとめられているので引用します。

 日本軍の失敗の本質とは、組織としての日本軍が、環境の変化に合わせて自らの戦略や組織を主体的に変革することができなかったということにほかならない。戦略的合理性以上に、組織内の融和と調和を重視し、その維持に多大のエネルギーと時間を投入せざるを得なかった。このため、組織としての自己革新能力を持つことができなかったのである。
 それでは、なぜ日本軍は、組織としての環境対応に失敗したのか。逆説的ではあるが、その原因の一つは、過去の成功への「過剰適応」があげられる。過剰適応は、適応能力を締め出すのである。近代史に遅れて登場したわが国は、日露戦争をなんとか切り抜けることによって、国際社会の主要メンバーの一つとして認知されるに至った。が同時に日露戦争は、帝国陸海軍が、それぞれ「白兵銃剣主義」、「艦隊決戦主義」というパラダイムを確立するきっかけともなった。その後、第一次世界大戦という近代戦に直接的な関わりを持たなかったこともあって、これらのパラダイムは、帝國陸海軍によって過剰学習されることになったのである。


ちなみにわたし、この「過剰適応」という言葉に人工知能の機械学習における「過剰適合/過学習」を思わず連想しました。
他には日本独自の進化をしたガラケーや高機能家電などが思い浮かびますね…

そして多くの人が感じるであろうこと、上述のパラダイムを「昭和の高度経済成長」に置き換えると、そのまま日本の現状にも当てはまることに戦慄しました!

だってこの本が最初に出版されたのは1984年、実に33年前になんですよっ!

そしてそれ以来、多くの人がこの本を読み、自らが所属する組織を変革しようと試んだでしょう!


なのに今のこの状態!

シャープ、東芝に始まり、日産・スバルでの完成車検査問題。
さらに神戸製鋼に始まる一連のデータ改ざん問題。

そして2005年「談合決別宣言」をしたはずの大手ゼネコンが、リニア中央新幹線の工事において、あいも変わらず受注調整を行なっていたことが発覚…

394頁の一文、
「成長期には異常な力を発揮するが、持久戦にはほとんど敗者復活ができない。成長期には、組織的欠陥はすべてカバーされるが、衰退期にはそれが一挙に噴出してくるからである。」
そのまんまの状況じゃないですか〜・゚・(つД`)・゚・


結局、日本人は何事においても場の「空気」に染まりやすく、そして一旦その「空気」に染まってしまうと、それを破る言動を取りにくくなってしまう性質があるんでしょう。
これは島国国家で移民がほとんどおらず、有史以来ずっと皇室中心の社会が営まれてきたことと無関係ではないと思います。

インターネットの発達により、コミュニティの多様性は増えたにせよ、結局「空気」を醸し出す場が増えただけなのかもしれません。(ガンダムゲー戦場の絆とか、アイドルマスターとか、古参ファンがにわかを排斥する風潮も聞いたりしますし…)

だとすれば、組織内の同じ空気に染まった人材だけで、自己革新組織へと昇華させるのは無理と判断せざるを得ません。
ホンハイ傘下のシャープが、東証一部復帰を果たしたニュースなんかを見ると、余計にそう思います。

そういう点で、今回政府が打ち出した働き方改革の目玉、副業・兼業解禁はなかなか良いのかもしれません。
別の「空気」に触れることで、別の視座を得ることになるからです。

な・の・に、このニュース!
「副業・兼業は推奨できない」経団連会長
もう、おったまげましたよ!以下引用。
経団連の榊原会長は18日の記者会見で、「副業兼業は社員の能力開発というポジティブな側面もあるが、一方で、パフォーマンスの低下や情報漏えいのリスク、両方を合わせた総労働時間の管理のしかたなど課題が多い」と指摘しました。
そのうえで、榊原会長は「副業・兼業について各社の判断でやるのは自由だが、いろいろな課題があるので、経団連としては旗振り役をする立場にはない」と述べ、経団連として副業・兼業は推奨できないという考えを明らかにしました。


もうね…

滅びろ経団連!

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なろう小説「戦国小町苦労譚」にみる倉吉の偉人の功績

こんにちは、槙です。

今朝は本格的に雪が積もったので外出はせず、ずっと引きこもってました。

んで、ダラダラとネット巡回とかしてたわけですが、あるサイトでこんなものが出版されているのを知りました。

元は小説家になろうで連載されていたもので、農業高校に通う女子高生が、戦国時代にタイムスリップし、そこで織田信長に仕えて農地改革をするという、いかにもなろう小説らしい設定です。いわゆる内政系に分類されるものですね。

ちょっと面白そうだったので、ネットで公開されている部分を読んでみました。
参考:コミックアーススター 戦国小町苦労譚

そうしたら第6話の稲作のシーンで、倉吉博物館に紙芝居風なパネルで紹介されていた農業技術が出てくるではありませんか!
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実は上記の技術の元となっているのは、明治時代に鳥取県倉吉市(当時は小鴨村)に住んでいた農家、中井太一郎が開発したものなんです!
参考:日本型稲づくりの基本をつくった中井太一郎の中耕除草機「太一車」

彼はこれらの農法を普及させるため、全国を遊説して回ったそうです。

上記リンクの紹介文によれば「わが国稲作栽培技術の近代化は、中井の太一車を突破口としてはじめて達成されたといって、 過言でないだろう。」ということですので、本作の原作者である夾竹桃さんが、別の文献を元に創作されたとしても、その源泉は倉吉の農家であった中井太一郎から生まれていると言っても良いでしょう。

そう考えると倉吉の小中学校は本コミックを図書室に入れても良いと思いますね。

エンデの「モモ」を読んだら、時間泥棒に同情してしまった

こんにちは、槙です。

クーラーが必要な時期になって、私の生活スタイルは冬のそれとほとんど同じ状態になりました。
参考:セミリタイア生活、ここ最近の生活はこんな感じ(冬)

そして図書館に入り浸り、あれこれと乱読しているわけですが、昨日は児童文学の傑作ミヒャエル・エンデ著「モモ」を読みました。



いや〜、長い間サラリーマンやってたせいか、悪役である時間泥棒、灰色の男たちにすごくシンパシーを感じてしまいました。

主人公のモモに秘密を知られたあげく、彼女を逃してしまうという失態に際し、「11章 わるものが危機の打開に頭を絞るとき…」では、灰色の男たちが集まって打開策を話し合うのですが、それがまさしく会社の会議っぽい!すごく人間臭いんですよね〜

クライマックスに向けて、灰色の男たちの弱点なんかも晒されるわけですが、それが思った以上に酷い!そんな簡単に消えてしまうのかよ、お前たち!とその存在の儚さに悲しくなるほどです…

そして児童文学らしく、彼らはあっけなく全滅してしまうわけです。(つД`)ノ


しかし、もともとは時間を大切にしない人間たちの生活が、灰色の男たちを生むきっかけになったことを考えると、もう少し違った展開があってもいいのに…といくつか妄想してしまいました。

彼らは人間たちに対し「時間を貯蓄すれば、あとで利息つけて返すよ」と騙して、人間たちの時間を盗みとり、彼らが生きるためのエネルギーに変えるわけですが、現代の人間の生活を鑑みれば、喜んで差し出すような時間があるんじゃないですかね?

例えば、満員電車の通勤時間。
ほとんど全ての人にとってあの時間は苦痛でしかないはずです!
そういう時間であれば、返って時間泥棒にあげてしまった方が良いんじゃないかな? 何せ主観的には、電車に乗ったと思ったらもう着いてる、という状態になるわけですから。
それに時間をあげてしまえば、痴漢をすることも不可能です。ならばそれを証明することで痴漢冤罪を防ぐ方法になるかもしれません。

他にも、サービス残業の時間なんかは交渉の余地がありそうです。
灰色の男たちは優れた洗脳家でもあるので、明らかに無駄な作業(会議や役員報告のための資料作りなど)を止める方向に会社のお偉いさんたちをそそのかしてくれるのであれば、その後浮いた時間の半分くらいなら渡しても良いんじゃないでしょうか?(もちろん一生ではなくある一定の期間ですが)
結果として、徒労感のある仕事が一掃されるのであれば、悪くない取引だと思うんですけどね…


そんな風に「人間と灰色の男たちの共存共栄社会を妄想してしまいました」というのが、児童文学「モモ」を読んだ40代(元)サラリーマンの読書感想です。

高校日本史の教科書で、中世までの歴史を知る

こんにちは、槙です。



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上記ツイートをしてからちょこちょこと図書館に通い、ようやく江戸幕府成立までの大まかな流れを知ることができました!
そして私自身、日本史は漠然としか把握していなかったことを、つくづく思い知らされました(><)

特に理解していなかったところはこのふたつ…

・鎌倉幕府を打ち立てたのは源頼朝だったのに、いつの間にか北条家が治めていた理由

・室町幕府成立の過程


平安→鎌倉は源平合戦で、戦国→江戸は様々な戦国武将の話で補完できていたのですが、その間はさっぱりでした(笑)

しかしっ、今回の自習(?)でバッチリです!
特に鎌倉幕府の終わりから室町幕府(南北朝時代)に活躍した後醍醐天皇と名和長年の話を理解できたのは大きいですね。

実はこの二人の名前は鳥取県でそこそこ有名です。

桜で有名な船上山(琴浦町)のことを調べると「隠岐から脱出した後醍醐天皇を名和長年が助けて、鎌倉幕府の軍と合戦した」というようも出てきますしね。

でも日本中世の歴史を把握していなかった頃は「それ誰?」と言う感じでした。かろうじて後醍醐天皇の名前は聞き覚えがあるくらい?

今回ようやくそれがわかりました。鎌倉幕府を倒した後、いっとき天皇中心の政治体制に戻そうとして失敗し、南北朝時代を招いた人だったんですね。(南北朝時代のことも覚えてなかったです…)

実際その頃の歴史で覚えていたのは、室町幕府を開いた足利尊氏と金閣寺を建てた足利義満、あと銀閣寺を建てた足利義政。これくらいでしょうか…

今改めてググってみると「太平記」がこの頃の軍記物としては有名で、NHKの大河ドラマにもなってたんですね。
1991年だから大学生の頃か… ま、理系大学生が見てるわけがない。


船上山における合戦のことをもうちょっと知りたいな〜、と調べてみたら名和長年戦記というサイトがありました。
サイトデザインは歴史を感じさせますが、情報がうまく整理されていてとてもわかりやすかったです。

どんな人が書いているのかな?と思ったら、なんとTwitterで相互フォローしている筑後守さん(@tikugokanri)のサイトでした。
インターネットの海も以外に狭い?


図書館では他に、応仁の乱がらみで西軍中心人物だった山名宗全と、伯耆国守護を務めた山名氏の関係をはっきりさせたかったので、「守護・戦国大名辞典」という本で調べたわけですが、同じ氏族なだけで直接の関係はないみたいです。

おかげで一気に「応仁の乱」の読書欲が減りました。

楡周平の「プラチナタウン」、時代を先取りしすぎてビックリ!

こんにちは、槙です。

今日はお隣の湯梨浜町をドライブした後、馬ノ山展望台にクルマを停めて読書してました。
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こんな感じに東郷池を見下ろすスポットで、しかも人がほとんどいないのでお気に入りの場所の一つです。

そして読んでいたのがタイトルにもある通り、楡周平著「プラチナタウン」です。


きっかけはこの前読んだ「日本列島創生論」で紹介されていたからです。


私にとって楡周平といえばパソコン通信を利用した麻薬密輸を取り扱った「Cの福音」が思い浮かびます。

その後、続く朝倉恭介シリーズを一通り読んだのですが、途中から主人公がありえないほど強くなってしまい興が冷めてしまいました。

その後、氏の作品は読んでなかったのですが、まさか地方創生がらみの本で紹介されるとは…
てっきりクライム小説でいくのかと思ってました。

それで15年ぶりくらいに楡小説を読んでみたのですが、これがビックリするくらいエンターテインメントな作品で、かつ現在の社会問題に取り組んだ意欲作でした。
調べると大泉洋主演でドラマ化もされているようです。

《あらすじ》
総合商社部長の山崎鉄郎は、一寸したつまずきから出世街道から外された上、150億もの負債を抱えて平成の大合併からも爪弾きされた故郷・緑原町の町長を引き受ける羽目に陥ってしまう。鉄郎のビジネススキルを当てにする故郷の人々。しかし、町長に就任してわかったことは、財政再建団体入りは不可避といえるような、想像以上にひどい現実だった。
そんな中でさえ、事態の厳しさが認識できない人々、相も変わらず私腹を肥やそうとする町議会のドンなど、鉄郎の前に田舎ゆえにまかり通る非常識が立ちはだかる。そんな困難に挫けず、鉄郎が採った目からウロコの財政再建策とは?一発逆転の大勝負ははたして成功するのか?
核家族というライフスタイルを造った八百万団塊世代の定年で本格化する「老人問題」、地方交付税や国県補助金の減額でますます強まる「地方の疲弊」、大型団地だけでなく都市部の私鉄沿線でも始まった「町の虫食い化」など、現代が抱えるビビッドな社会問題を、追いつめられた男・山崎鉄郎と周りに集まったユニークな人々が、様々な困難を乗り越え痛快に解決していく、著者の新境地を示す新社会派小説、ここに誕生!

(Amazonより)

この舞台となる緑原町、使う人がいないのにいろんな施設を作ってきた典型的なハコモノ行政として描かれています。そして入居も決まっていないのに工場誘致用に3万坪もの町有地を整地するありさま。もちろん誘致は成功せずその土地は塩漬けされたままです。

そして目からウロコの財政再建策というのが、その土地を元在籍していた商社に「巨大永住型老人介護施設」用として無償貸与するというものです。
巨大というだけあって提供部屋数は介護型、非介護型合わせて4,250室。対応する介護職含めた運営スタッフが690人というコンセプト。

土地を無償貸与するので、緑原町の主な税収アップは施設の固定資産税と、老人移住者のサービス利用や購入品の売り上げと介護スタッフの給料からの税収などになります。
介護職についても田舎だから安く生活できる、要介護者がまとまっているので効率よく介護ができ、報酬が上がりやすいなどのメリットがあるため、ずっと介護職を続けられるようになる。

などなど説得力のある内容でした。


でも何より驚いたのは、これが刊行されたのが9年も前だってことです!

連載開始は2006年11月号からとありますが、その前には取材期間だって必要だったでしょう。そう考えるとこのアイディアを思いついたのは、タイミングからしても夕張市の財政破綻がきっかけだったんでしょうね。

そしてそれと今もなお深刻な老人問題をうまく組み合わせた解決策を提示し、あまつさえエンターテインメント作品として仕上げる楡氏の手腕には脱帽です。

正直なところ、娯楽小説としては悪役がちょっと小物だったかな?
あとは移住してくる老人は基本的に都会で持ち家を持てるほどに成功した層がターゲットとなっているため、もともといる住人との摩擦みたいなものが描かれるとよりリアルで楽しめたと思います。

でも後者に関しては次作がすでに出版されているようなのでそちらを読んでみたいですね。

ちなみに日本創成会議が高齢者に地方移住を促した、いわゆる増田レポート第2弾が出たのがちょうど2年前です。
参考:東京圏の高齢者、地方移住を 創成会議が41地域提言
プロフィール

槙

Author:槙
2014末に会社を辞めたセミリタイアおじさん。 2016年に鳥取移住してセルフリノベーションで民泊準備中。 属性はフィギュアオタク、ひなビタ♪も応援しています。『限界費用ゼロ社会』到来派。

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