2019年10月08日 - この先結婚するつもりもないのでセミリタイアした
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大原美術館&熊谷守一展を鑑賞してきた

こんにちは、槙です。

先週、瀬戸内国際芸術祭へ行くのに合わせて、倉敷の大原美術館と、岡山県立美術館で開催されていた熊谷守一展に行ってきました。

大原美術館では印象派以降の作品を中心に、バラエティに富んだ、しかもレベルの高い作品をたくさん見られます。

ここでは大きく3つの発見がありました。

一つ目は、セガンティーニ「アルプスの真昼」の表現手法。
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この作品、異なる色の絵の具が細い線でもって、全体に置かれているんですね。筆触分割の効果を狙ってのことだと思うのですが、モネみたいにざっくりとでもなく、スーラみたいに点描でもない、膨大な細い線の積み重ねというのが、このくっきりとしたシャープな絵につながっているのでしょう。ちなみに遠くの山並みは近くで見るとバームクーヘンの層みたいになってました。


二つ目は、自分の好きな作品のジャンルが2.5次元的なものであることを再確認したこと。

今回、大原美術館の作品を鑑賞した中で、最も好きな作品はフォートリエの「雨」でした。
これは石膏をうすく盛り、緑で色をつけた後に、パレットナイフかなんかで上から下に筋をいくつも入れた作品です。(実際にはもっと工程があると思いますが)
この立体的な作品効果により、ちょっと視点を変えると、あたかも雨が降っているかのように石膏の白い筋が移動するわけです。これが面白かった。

もともと私、徳持耕一郎さんの鉄筋彫刻がすごく好きです。
参考:鳥取市での移住相談&鉄筋彫刻
この鉄筋彫刻も視点を変えることで作品の背景が大きく変わるわけで、こういった、変化を作品が内包しているものが好きなんだな〜、と改めて実感。

同系統のものとしては、フォンタナの「空間概念 期待」も興味深いものでした。
こちらは真っ赤なキャンバスに3本の切れ目が入っただけの、とてもシンプルな作品なんですが、切れ込みによりキャンバスにたわみが生じ、時空の切れ目的なものを感じさせるものでした。
フォンタナ自身も「画家として、キャンヴァスに穴を穿つ時、私は絵画を制作しようと思っているのではない。私は、それが絵画の閉鎖された空間を越えて無限に拡がるよう、空間をあけ、芸術に新しい次元を生みだし、宇宙に結びつくことを願っている。」と語っていたようです。


3つ目は、熊谷守一の「陽の死んだ日」。
works_c3b_06.jpg
現地でとったメモにはこう書いていました。
「ちょっと衝撃の絵 油絵の具がモリモリに盛られ、真っ赤な絵の具の中に死んだ子供の顔が浮かんでいる 後年のひょうひょうとした印象からは信じられないほど荒々しく、生々しい 守一の深い悲しみが感じられる」

最初、鶏を絞めた絵なのかと思ってよく見たら、子どもの顔があってびっくり!
そして作者の名前に熊谷守一を発見して、二度びっくりってなもんです。

熊谷守一といえば、子どもの絵のような素朴な味わいが魅力なんですが、この作品はまったく違ったんです!

でもって岡山県立美術館で熊谷守一展をやっていることを知ったので、翌日見に行ったわけです。


こちらには初期の作品から、モリカズ様式へと至る中間期、さらに晩年描かれたモリカズ様式の絵が多く展示されていて、お腹いっぱいな感じです。

でもこちらの作品群と、大原美術館にあった「陽が死んだ日」はまったくタッチが違ってました。「陽が死んだ日」だけが異質でしたね。
著作「へたも絵のうち」によれば、当時「陽の死顔を描きはじめましたが、描いているうちに"絵"を書いている自分に気がつき、嫌になって止めました。」と、こういった心境だったそうです。

わかるような、わからんような…


ちなみに熊谷守一の作品では猫がよく知られていると思いますが、岡山県立美術館では3作品が並んで展示されていました。
(「 」内は題名と私が現地でとったメモの内容です)

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「くろ猫 柔らかな丸みに隠された成猫のがっしりした体格」

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「茄子と仔猫 安穏とし、心底くつろいでいる様が感じられる」

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「野良仔猫 いかにもひもじそうな、今にも倒れてしまいそう…」
(ネットで拾ってきたら斜めの画像しかなかった)

熊谷守一といえど、この野良仔猫はないだろー、と初見では思ったわけなんですが、こう3枚をじっくりと見比べていると、濁った目、ぼんやりとした輪郭、極端に凹んだお腹などが、野良仔猫が置かれた劣悪な環境を思い起こさせます。
隣に並んでいる「茄子と仔猫」の環境とは大違いです。そうなるともうこの絵には憐れみしかありません…

正直、熊谷守一の絵はなんとなく好きって感じで、うまく説明できないんですが、この3枚の猫は比較的わかりやすかったです。
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プロフィール

槙

Author:槙
2014末に会社を辞めたセミリタイアおじさん。 2016年に鳥取移住。 属性はフィギュアオタク、ひなビタ♪も応援しています。『限界費用ゼロ社会』到来派。

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