安楽死について考えてみた - この先結婚するつもりもないのでセミリタイアした
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安楽死について考えてみた

こんにちは、槙です。




ヨーロッパ在住のジャーナリストである著者が、世界各地の安楽死の現場を訪れ、実際に安楽死を施す現場に立ち会ったりします。また安楽死を迎える直前の本人から、あるいは残された家族からインタビューするなど、かなり突っ込んだ取材を行なっています。

取材を始める前は安楽死のことについてほとんど知識もなかった著者ですが、それが読み手に対して親近感を抱かせ感情移入させやすくなっています。
そして安楽死容認の国から禁止の国へと取材の旅を続けるうちに、徐々に著者の考えも変化していきます。その変化の元となる取材の旅を読み手も追体験することで、否応なく安楽死について考えさせられることになるでしょう。


もともと私が安楽死容認の立場を取っているのは、強烈な体験があったわけでも、深い考えでもありません。

ますます膨らんでいく日本の高齢者医療費を鑑みた場合に、そこを削減することは必須。であれば胃ろうなど必要とは思えない延命治療を施し、死ぬまで不便で苦しい生活を強いると同時に、高額の医療費を浪費することは即刻やめるべき!と考えていたわけです。

他にも自分自身が寝たきり生活になってしまった場合など、他人(社会)に迷惑をかけるくらいなら安楽死させて欲しいという、漠然とした思いがありました。


あと常々思っていたことですが、昨今の「生産性向上」というワードを見るにつけ、「社会全体の生産性はどうなんだ!」と思います。
つまり今後回復の見込みのない高齢者医療・介護に税金を費やすこと、ましてや今後ますます減っていく生産年齢人口を割り当てることは、社会全体の成長の足を引っ張ることになりませんか?ということです。

ま、この話は要するに姥捨山や優生思想にも通づる部分があり、かなりデリケートではありますが…

その一方で、出生前診断で異常が見つかった場合の中絶率は9割を超えるという報道もあるようです。
毎日新聞:新型出生前診断、本格実施 優生思想あおる「利益」優先
つまり現実的には、すでに命の選別はなされているとも言えるわけです。


また作家の橋田壽賀子さんが安楽死に関する本を昨年出版しました。


そして評論家の西部邁さんは病院での延命治療を嫌がり、先月自ら入水自殺したと言われています。
これについては、ちょうど「安楽死を遂げるまで」の著者である宮下洋一氏がプレジデントオンラインに安楽死の状況を交えて書いています。
プレジデントオンライン:西部邁の「自裁死」を美談にしてよいのか

宮下洋一氏はその著作や記事の中で「日本人は安楽死に向いていない」と書いています。以下引用。

 私は「日本人に安楽死は向いていない」と考えている。なぜか。それは周りに迷惑をかけないために安楽死を選ぶのだとすれば、家族からの「そろそろ患者に逝ってほしい」という空気を、患者本人が察して、死を願い出るケースも十分考えられるからである。「空気を読む」という日本的習性が、死にかかわる決断を左右するのは危険だ。それは長年、欧米で議論され、培われてきた「死の自己決定権」とは、対極の概念に行き着くものだからだ。

なるほど確かにそういう面はありそうです。さまざまな安楽死の現場に接してきた氏が言うと説得力ありますね。
「失敗の本質」を読んで以来、そのことを疑う余地は私にも無いです。
参考:「失敗の本質」、それはつまるところ日本人の性質


さて日本における安楽死を容認すべく活動している団体は1976年に「日本安楽死協会」として発足しました。
その後1983年に「日本尊厳死協会」と改称しています。

そして今、日本尊厳死協会は(筋弛緩剤投与などの)積極的安楽死を支持していません。
あくまでも回復の見込みがない場合に延命治療を望むかどうか、自分の意思がしっかりとしているうちに文書に残しておく「リビングウィル」の普及活動をメインにしているようです。

ただこれも公的な制度というわけでもなく、例えば私がこのリビングウィルを文書に残していたとしても、突然の交通事故などで意識不明の状態になると、身近な家族などがそのリビングウィルを保証してくれない限り(一人でIターン移住した私にはほとんど無理)、おそらく医師は延命治療を施すことになります。
本人(私)の意思が確認されない以上、一旦施された延命治療はやめることができません。(つД`)ノ

どうせなら自治体が年に一度行う健康診断時に、このリビングウィルを本人に確認し、公式な記録として健康保険証と紐付けで管理してくれればいいんですけどね。そうすれば上記のようなことは防げるはずなんですが…
残念ながら現時点ではそういった議論もなかなかできない状況のようです。


あと認知症になってしまった場合ですが、現時点で安楽死できる可能性があるのは精神疾患者でも安楽死できるベルギーだけのようです。
日本ではいくら議論が進んでも、そのハードルは高そう…

前回のフィギュアケースの記事からかなり振り幅の大きい内容になってしまいましたが、まぁこれもセミリタイアしたからこそ、やっている/考えていることですから…
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槙

Author:槙
2014末に会社を辞めたセミリタイアおじさん。 2016年に鳥取移住してセルフリノベーションで民泊準備中。 属性はフィギュアオタク、ひなビタ♪も応援しています。『限界費用ゼロ社会』到来派。

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